野上氏単独インタビュー |
1. 噴火の予知というお仕事について |
普段は草津の観測所で、地中から漏れ出すガスの成分を分析しています。毎日山登りをするので、ボーイスカウトのキャンプをしているようなものです。ひとたび噴火が起これば、日本中どこでも真っ先に飛んでいってデータを収集します。海底火山なら海上保安庁のジェットに乗り込んで現地に飛ぶこともあります。私たちは化学的なアプローチで噴火の予知に取り組んでいますが、これは世界でも研究例が少なく、その成果に大きな期待を寄せられています。
私たちの研究の第一目的は、「噴火による人的被害を軽減する」ということです。完全な噴火予知(いつ、どこで、どのような、どの規模で、いつまで、が噴火前に判る)までは至っていませんが、現時点では短期的予知はできるレベルにあり、その精度の向上に努力している毎日です。私たちの研究が長く引き継がれて、やがて完全な噴火予知が可能になり、大勢の人の命が救えるようになるよう、日々がんばります。 |
2. 現在のスカウティングは? |
御殿場の第7回から前回の朝霧まで、日本ジャンボリーにはGHQスタッフとしてまめに参加しています。ベンチャー大会にも行っています。第20回タイの世界ジャンボリーにも参加しました。日本連盟のトレーナーとしてウッドバッジでも奉仕しています。噴火さえなければ、どこでも行きます。 |
3. あなたにとってスカウティングとは? |
ライフスタイルそのものですね。そもそもこの研究分野を選んだのも、「フィールドに出られるから」という単純な理由です。研究室にこもるより、毎日屋外に出るほうが好きなんです。あ、それと大学の講義にもスカウティングの手法をしっかり取り入れて成果を上げています。 |
4. 今のスカウトたちへメッセージを |
ルック・ワイド。視野を広く持って、大きく羽ばたいて欲しいですね。より多くの場所に行き、より多くの人とふれあい、より多くのことを学んで欲しい。特にベンチャーの高校生諸君、今君たちがなすべきことは、勉強することです。普通科でも商業科でも工業科でも、どの学科でもそれぞれの分野を必死に勉強して欲しい。必ず社会に出て、それが役立つときがきます。それまで「そなえよ常に」です。 |