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ボーイスカウト岡山連盟・先輩登場

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The Nicest People on Boy Scout File No.5
名前:藤原隆司郎
出身団:玉野第1団
スカウト暦:カブ・ボーイ・シニアー(ベンチャー)・ローバー・指導者

 玉野第1団のシニア隊(現ベンチャー隊)が、1979年8月に玉野市渋川から沖にある堅場島まで手作りイカダで航海しました。その模様を撮影した8ミリテープの記録映画が玉野第1団に保管されていたので、この度デジタル化しました。Youtubeでも公開中です。
 そこで今回の先輩登場は、映像当時のシニア隊の副長で、現在はボーイ隊隊長をされている藤原隆司郎さん。ボーイ隊のスカウトと一緒に記録映画を見ながら、疑問に思ったことなどを質問してみました。(2013.12.21)

1979年玉野第1団シニア隊
イカダ航海バイキング号
(約41分)

→YouTubeで見る

→イカダ航海計画書ほか


藤原隊長とスカウトとのQ&A
Q1.どれくらい準備をしましたか?
 シニア隊の年間プログラムとして、約1年をかけて準備をしたかなと。

まずはみんなで話し合って簡単な設計図を作成してみて、それをもとに模型をつくってみたり、事前にイカダを作成して運ぶことが出来ないので、当日砂浜で出発前にきちんと作れるように前もって何度も練習をしました。

 イカダの作り方も、三井造船の方に聞いたりアドバイスをもらいながら設計図を作成したり、浮力の計算についても勉強しました。竹を組んだイカダでは、人や荷物を乗せて航海するには浮力が足りずに無理みたいでした。

 イカダを組む時に必要な番線の使い方も教わったりと、いろいろな人たちに手伝ってもらいながらプログラムが成功するように準備してきました。

陸地だと地形図を使うけれど、海の上では海図を使うので、海図を使って三角点から現在地を知る練習も事前にしたけれど、本番ではうまくいかなかったので、予定のコース通りに航海が出来ませんでした。

(『先輩登場』に出ていただいた野上さんがナビゲーターとして海図と向き合っている姿が映像に写っています。)

Q2.資材はどうやって集めましたか? Q3.安全面で注意したことは何ですか?
 まず最初にスカウトが簡単な計画書を作って、それを持って育成会やライオンズクラブなどと直接交渉しながら、ドラム缶や丸太など必要な資材を集めました。

 航海する場所は潮の流れが急なので、潮に流されることを想定してイカダを挟むように2艘の漁船も一緒に進んでいきました。
海上保安庁にも届け出をしていたので巡視船も見守りに来ていました。その巡視船から時々「がんばれ」、「もう帰る」などの手旗信号を打ってくることがありました。

(大潮は潮の流れが急なのでイカダ航海をする時は小潮の頃がおすすめ)

Q4.イカダの航海中に崩れたり壊れたりしましたか? Q5.海に落ちた人はいましたか?

 イカダ自体は崩れることは無かったけれど、オールが何本か折れたり、あちこち壊れたところはありました。

風を使えたら漕がなくて楽だと思って帆を作ってみたけれども、行きたい方向に進めなかったので、あまり意味が無かったです。風向きに合わせて帆が動かせるようにしておけばよかったと思います。

 航海中に落ちた人はいなかったけど、海の真ん中で泳いだ人はいました。私も泳いでみたところ、とても気持ちが良かったです。潮の流れに乗るとスイスイ泳げるけれど、流れに逆らって泳ぐと大変でした。

Q6.行きと帰りどちらの方が時間がかかりましたか? Q7.島に着いたあとにどんな活動をしましたか?

 行きの方が遠くまで潮に流されたので、島に到着するまでに約3時間くらいかかりました。
潮に流されてコースから大きく外れてしまって到着時間が遅くなりそうだったので、途中で漁船にロープで引っ張ってもらい、島の近くで再出発したけれど、なかなか到着できませんでした。
帰りも潮に流されたけれど、活動の終わりが見えるので、みんな頑張って漕ぎました。

 映像にあるように堅場島に到着したあとにみんなで島を歩測で一周してみたり、泳いだり釣りをしました。

Q8.終わったあとのイカダはどうなりましたか?  

 砂浜に到着してすぐに解体しました。他の団がやってみたいということでドラム缶は渡しましたが、丸太は今も倉庫に置いています。

 

映像を見終わったスカウトの感想
とても楽しそうでした。
若い時の隊長が格好良かった。
いつか自分でもやってみたいです。
ベレーよりもハットのほうがいい。
普段とは違う場所でキャンプするのは楽しそうだった。
海が気持ちよさそうです。
協力・団結力・忍耐力がいっぱい。

ベンチャースカウトへメッセージ
 最近は人数が集まらなかったりと、なかなか規模の大きな冒険のような活動が出来ていないと思いますが、今でもやればできると思います。昔のスカウトはこんなことをしていたのかという記録映画をきっかけに、イカダ航海ではなくてもサイクリングなど普段の活動などを自分たちで計画して実際にやってみながら経験を積んで、いつかは大きなプログラムに挑戦してみてください。

編集後記
 玉野第1団の先輩スカウト活動の様子を今のスカウトが見てどう思うのか気になりましたが、概ね好評のようでした。鑑賞会後にはスカウト達が早速イカダの設計図を書いてみたりと、冒険心あふれるプログラムは人を惹きつけるのだなぁと実感しました。藤原隊長からは今回の記録映画の8ミリテープとともに、当時の『イカダ航海計画書』や『映画作成計画書』といった貴重な資料を提供していただきました。是非映像と共にご覧になってください。ちなみに男性ナレーションは藤原隊長です。

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